
どうも、どうも、さっそくいらっしゃいませ。28日の正午に、円・こどもステージ『青い鳥ことり なぜなぜ青い』を観てきました。演劇集団円のファミリー向けの人気企画で、年末恒例の公演です。この公演の企画をやっていたのが、先日亡くなった岸田今日子さんです。ある筋から聞いた話だと、円は一時、ファミリー向けステージをおろそかにした時期があって、作品の質が落ちたことがあったそうです。その立て直しに尽力したのが、岸田さんだったわけです。ファミリー向けステージは、次世代の観客を育てるのに大事なものですし、子供も大人も一緒に楽しめるクオリティーのある作品をつくるというのは、とてもハードルの高い作業でもあります。円のこどもステージは、そういう意味においても、確固たるシリーズなんですね。来年ぜひ観て下さい。
今年は多くの演劇人が亡くなりました。丁寧に調べ直して書いているわけではないのでもし抜けがあったらごめんなさい。11月には演劇集団円の座長、仲谷昇さんが亡くなりました。仲谷さんは野球が大好きで、普段は温厚なのに、円のメンバーを率いて監督になると鬼に変貌したそうです。そういう話、もっとうかがいたかった。仲谷さんの葬儀には岸田さんはいらっしゃってなかったような気がしました。取材のお願いをした時に、少し体調がお悪いと聞いてたのですが、まさかこんなことになるとは。
青年座の座長、森塚敏さんも亡くなりました。ステテコ姿かなんかで、ひょうひょうと、舞台にあっけらかんとした風情で出てこられた時の存在感といったら、もう誰もかないませんよ。反則です。それでいて呑みの席での格好の良さ!
声優として大人気だった鈴置洋孝さんが亡くなったのは8月、松本きょうじさんが亡くなったのは7月でした。お二人とも50代前半でした。
そして先日、松竹の永山会長もお亡くなりになった。何度か「インタビューをしたいのだけれど、どういうルートで話をもっていけばいいのかな」と、松竹に就職した同級生に相談したものです。実際に動いたことはなかったけど。
数年前、文学座の座長だった杉村春子さんが、若い記者とお話がしたいと、おっしゃってくれたそうです。シアターガイドはもちろん、ぴあ、東京ウォーカーなどなどのことです。それを聞いて「ぜひに」と取材をお願いしたところ、体調を壊し、入院され、実現しないままお亡くなりになってしまいました。
ベテラン、超ベテランと呼ばれる世代の方は語るべき人生と、語るべき面白い言葉を持っていらっしゃいます。そして、現代のわれわれに人生という意味でも、演劇という意味でも道を開いてきてくださった存在です。決して堅苦しく構える必要はありませんが、そうした皆さんの言葉は残していかなければいけません。杉村さんとの出来事は僕にそういう気持ちを与えてくださいました。
『青い鳥ことり なぜなぜ青い』を観ながらそんなことを考えました。


by 田窪桜子
副都心線がもっとも有意義な劇…